言葉を選ばずに言うと、髙原さんはレゲエに魂を奪われた男だ。
ファッションとしてではなく、その精神に感銘を受けた。 世に言うラスタファリアン（ラスタマン）なのだ。

髙原さんは10代の頃から美容業界で働き続けている。
美容の現場は客として見ているのとは全く違い危険がつきまとうもの。
それは、毎日扱うパーマ液やカラー剤には人体に害を及ぼす恐れのある物質を含むものがあるということ。
今ではその事は認知されてきているが、当時は全く知らなかった。
アトピーを持っている同僚達は病院に行き、ステロイドで治療し、美容業界から去っていった。 これは施術される方にも起こった悲劇。
そんなことが重なって、これまで薦められるままに使っていたモノに疑問を持つようになった髙原さんは、 サロンで使っている薬剤の原材料を調べてみた。
やはり人体に悪影響を及ぼす化学物質が少なからずあった。
またこの化学物質は下水を通り、自然にも悪影響を与える。
それがわかった時、「なんとなく、きもちわりー」と思ったそうだ。
ラスタファリアンの直感、「こういうことは、許されないのだ」
それからは、できるだけ人体や自然に害が及ばない方法を探し始めた。
しばらくして出会ったのは、「ビーワンシステム」という、薬剤の使用を最小限に抑える施術方法。
開発者に会いに行き、詳しく説明を受け、納得して、使ってみると肌の弱い方から好評を得た。
なにより美容師の体に優しい。これならお客様に安心して使い続けられる。

また、その「ビーワンシステム」をつかったボデイマッサージも人気だ。
一般的に、こういう話しは受け入れがたいのもではあるが、世の中の人たちに押し付けようとは思わない。
困っている人がいれば知らせてあげようと思っているだけ。
「わかってくれる人がわかるだけでいいんじゃない？ こういうことは、こだわりすぎていると、ストレスが溜まっちゃうでしょ。 そっちのほうが体に悪いよ。なにごともバランスが大事。
だから、日頃自分の体に優しく出来ないのであれば、ウチにくればいいよ」 とラスタファリアンは笑った。

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ラスタファリアニズム (Rastafarianism) とは、
1930年代にジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した宗教的思想運動のこと。
その中で、アイタルとは「自然な」「真の」という意味で使われる。
アイタルの語源は英語のvital−生命の、元気が出るを意味するのジャマイカ訛りと言われている。
ザイオンは「神の国」のこと。ラスタの思想ではエチオピアを指す。 聖書では、聖なる山。
プロミスト・ランドのこと。バビロンのような悪がはびこる場所と正反対の地。

佐伯市出身。
息子さんといっしょに空手を習っている。
ちなみに共同経営の奥様・由美子さんの趣味はフラダンスとミニバレーだそう。